2007年5月31日(金)・6月1日(土)
東京・御茶ノ水のライブハウス 
KAKADO(カカドゥ) にて 計4回上演された


◇◇ fantasic produce unit 『IZUMI・座』 ◇◇
「ゆめかうつつのものがたり」
〜4人の女優による朗読〜

上演中の撮影は禁止のため、実際の舞台写真は残念ながらありませんが
作者としてご招待を受け、5月31日の午後三時〜 の回を拝見させていただきましたので

どんな場所で、どんな方たちが演じて下さったか?

KAKADO(カカドゥ)のホームページにて、ムービーも公開中!ですが
(当日の舞台の様子、村田あけみ・作『三日月の夜に』がココクリックすると動画でご覧いただけます)

上演後に撮ったスナップや、カカドゥさんのHPよりお借りした写真でも、少しご紹介♪

東京らしい風景・JR『御茶ノ水』駅から  6分ほど歩くと

ビルの谷間の路地を曲がった奧に小さな木の扉が...
開けると、そこには不思議な異空間が待っていました。

アコースティックライブハウス KAKADO 
(店内写真は、HPKAKADOより転載)


 
店内は、ヨーロッパのどこかにあるライブハウスを思わせる、木と漆喰とレンガづくり。


ドリンクやフードをオーダーできるバーカウンター

●当日の様子をリポート


チケットの半券を好みのドリンクにかえ、それぞれテーブルで談笑するお客さんたち。和やかな雰囲気のなか
やがて店内は暗くなり、やさしい調べがしずかに流れ始めました(今回の『ゆめかうつつのものがたり』のために
作曲家の秋山桃花さんが創った旋律デス♪)すると頭上から、豊かに響く声がふりそそいできました。

「わたしの名は、ムーン。三日月の夜にだけ生まれる月の分身だ・・・」

『あっ、ムーン!』 おもわず胸がふるえました。そう、わたしが創作した童話

三日月の夜に から舞台は始まったのです!

 楽屋になっている二階から、出演者全員が『三日月の夜に』の冒頭部分をかわるがわる読みながら階段を降り、スポットライトを浴びて登場するという面白い演出。ステージには四本のマイクが立っていて、その前に四人の女優さんたちが揃うと、物語は佳境に入って行きます。

 いわゆる童話の読み聞かせとか、朗読を想像していた私は最初からビックリ。一人一人、しっかりと訓練された発声と姿勢、プロの女優さんたちに間違いないと分かる力量で役になりきり、表情を作り、演じています。聴こえてくるのは自分が書いた文章だったりセリフだから、何とも不思議.....胸の奥から、ぐわんと熱いものがこみあげてきました。

 途中に休憩が入る二部構成のプログラムでしたが、一部の衣装は、黒と白で統一されていて、女性らしい服の人もいれば、男装の麗人のような人も・・・とにかく四人それぞれにステキ。舞台の上には、レトロなデザインのアプライトピアノが一台。作曲者の秋山さんが生演奏しながら進められるステージは、何とも贅沢です。

 実は、IZUMI座のまなつさんより『三日月の夜に』と『廃墟とクロアゲハ』を読ませて欲しいというご依頼を受けてから、記念に大き目の『ムーン』人形も手作りしたのですが、そのことをお話したところ、ステージに飾って下さることに。なんと、私の文章作品と人形作品が、同じ舞台でスポットライトを浴びることになりました。

 

 作者として、こんなシアワセなことはありません。登場人物のムーンと少年に、いのちが吹き込まれ、いきいきとしたセリフまわしで、血が通ってゆくのを一言一句、聞き漏らさないように耳を澄まし、女優さんたちの美しい表情に見とれながら、まさに私にとっても『ゆめかうつつのものがたり』でした。

 もう一作『廃墟とクロアゲハ』も読んでいただきましたが、ストーリー性のある詩なので、おはなし...として読んでいただいても映像が浮かび、面白かったです。余談ですが、朗読して下さった松本好永さんは、初代コロンビア・ローズさんをお母様に持ち、数々の芝居、ミュージカル等々に出演してきた東宝現代劇出身の、実力派女優さん。ピアニストとしても、いろいろなミュージカルのオーケストラで演奏したりと、音楽の才能も素晴らしい方だと、IZUMI座さんのブログで知りました。なるほど、どこか音楽を感じる詩的な朗読で、魅力的な深い声が、廃墟とクロアゲハの世界を聞く人の心にはばたかせてくれます。

照明を浴びステージに飾られたMoon

◇プログラム◇

第1部

おはなし1 『三日月の夜に』作・村田あけみ (全員)
おはなし2 『カタツムリノ ウタ』作・新美南吉 (夕鶴みき)
おはなし3 『デンデンムシ』作・新美南吉 (飯岡まなみ)
おはなし4 『デンデンムシノ カナシミ』作・新美南吉 (岡崎ちか子)
おはなし5 『かっぱのサルマタ』作・住井すえ (全員)
おはなし6 『廃墟とクロアゲハ』作・村田あけみ (松本好永)
おはなし7 『龍と詩人』作・宮澤賢治 (岡崎ちか子・飯岡まなみ)


<休憩>

第2部

おはなし8 『虹の橋』作・野口雨情 (全員)


演出・岡崎ちか子
作曲/コーラスアレンジ・秋山桃花
出演・夕鶴みき、岡崎ちか子、飯岡まなみ、松本好永、秋山桃花(ピアノ)

舞台の後、出演者のみなさんに囲まれてステージで撮った一枚。
前列左から、岡崎ちか子さん、飯岡まなみさん、まなついづみさん(IZUMI座)
後列左から、夕鶴まきさん、秋山桃花さん(ピアノ)、村田あけみ&ムーン、松本好永さん

みなさん、本当にありがとう。また、書こう!というパワーを
みなさんの演技や演奏から、いただきました。表現する喜びも再確認。
ひろいネットの海の中から、私の作品を見つけ出してくれた
IZUMI座のまなついづみさんにも、改めて感謝です!

また読んでみたい...と思わせる新作を書けるよう、がんばらなくちゃ。
 

2007.6.2 村田あけみ

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IZUMI座まなついづみ さんが、ライブ前に掲示板に届けて下さった文章↓ご紹介♪

『ゆめかうつつのものがたり』
リーディング・ライブでは、大変、お世話になっておりましてありがとうございます。
稽古も、回を重ね、演じる(朗読する)気持ちも、
どんどんふくらんで、素敵なライブになりそうです。
今回、村田さんの、『廃墟とクロアゲハ』と『三日月の夜に』を
取り上げさせていただき、本当にうれしく思っております。

数ヶ月前、今回のリーディングライブをやろう!と思って、
どなたか、心に響く童話を書かれる、知る人ぞ知る!という方は
いらっしゃらないかな?と、あちらこちらをネットサーフィンで
探しておりましたときに、こちらの、ホームページと出会うことができました。
そして、すべての作品を読ませていただいたのですが、
どの作品も、私の心に響く作品ばかりで、大変、感動しまして、
「この方の作品を、是非、読ませていただきたい!」と強く思いました。
そして、村田さんにお願いのメールをお出ししましたら、
本当に、快く、受けて下さり、素敵な出会いに感謝いたしました。

今回読ませていただく、二つの作品、とっても、対照的な、雰囲気の作品でもありますし、
原作を、また、どのように、ふくらませて、お客様に楽しんでいただけるか・・・
出演者自身も、程良い緊張の中にも、楽しむ心も、忘れずに、
それぞれの役者の持ち味を吹き込んでいっているのだと思います。

とっても、優しくて、あたたかい、村田さんの世界を
今回のライブで、お客様に、より、楽しんでいただけるようお届けできたら、
冥利につきると思っております。
そして、更に、朗読とピアノのコラボレーション。
これは、読み手の気持ち、お客様の気持ちを
更に、物語の中へと、誘ってくれます。
村田さんのやさしくあたたかな世界を
秋山桃花さんのピアノは、
更に、やさしく、そして心にぬくもりを吹き込んでくれることと思います。

初日に、駆けつけてくださる、村田さん、
楽しみに、お待ちしていますネ♪
村田さんにも、楽しんでいただけるよう、ガンバリマス!

皆様が、日常を、束の間忘れて、
夢のせかいを楽しんでくださったら・・・♪
出演者一同、心を一つにして、
皆様を、お待ちしております。