眠らざるもの

                    作/キリン




夜中、目が覚めた。

夢を見ているような感覚、しかし現実とも思える。

八畳のアパート、ベッドの上。暗い部屋、小窓から入る薄い夜の光。

静寂。

この感じ。加藤はすぐに思い出した。

首を動かし、左を見るのとその声は同時だった。

「みっつ」

ベッドの横に、女の子が立っている。十歳にも満たないだろう。細部をぼかして描写したとしか言い様のない姿。クリーム色のワンピース。肩までの髪の毛。目鼻立ちは判然としない。

少女から、感情の起伏は伺えなかった。

みっつ、それだけを言って、少女はすぐに消える。

静かに上体を起こし、加藤はしばし、見詰めた。少女がいた場所を。

夏だ。クーラーは適温を検知し停止している。

腕と首の皮膚が悲鳴を上げていた。痛さを伴う異常な鳥肌。

寝起きだが、頭は冷えきっていた。

三度目ともなれば慣れるかと思えば、全くそんなことはなく。

金縛りというものはないものの、この恐怖は拭えない。

体の向きを変え、背を壁に預け、ベッドの上にあぐらをかく形で、いつしか加藤は眠りについた。

眠るまいと開け続けていた目がいつ閉じたのか、本人は知る由もない。



「加藤、お前それ、やばいんじゃないのか、マジで」

杉浦との付き合いは高校時代に遡る。大学や、今の職種も違うが、縁は続いていた。二人とも未婚。

「ああ。まいったよ。やっぱり数えてやがった」

加藤の顔に浮かぶ、色の濃い憔悴は、仕事のせいばかりではない。

新宿で、二人は飲んでいた。

「最初が一年、だっけか? 今度はふた月か」

「ああ。そんなとこだ」

その周期で、少女が現れていた。

五つ、と言ったのが一年と二ヶ月前。四つ、と言ったのが二ヶ月前。

無論、少女に見覚えはない。お化けの類いの体験はこの少女のみ。

つまり、原因がわからない。なぜ自分がこんな目に合うのか。

しかし、三度目にして、得たものもあった。

「妄想やノイローゼなら、まだ良かったろう。お袋も安心するし、俺自身、救われる。でもな、昨日、わかったんだよ」

全く進まない酒のグラスを口に当てる。舌を湿らせる。それは杉浦も同じだった。

「なにが?」

「あれは、明らかに外からの力だよ。俺の中から出てきたものじゃない」

「・・・そう感じるのか」

「ああ。確信した」

二人とも二十代後半。今更お化けでギャーギャー騒ぐ歳でもない。もちろん驚きはあるが、だからといって日常を捨てることなど出来はしない。

こんな話をする加藤を信じられるのは、付き合いの長さもあるが、加藤の根性をよく知っているからだ。

二度目の遭遇時から既にそうだが、今回に至り杉浦はかなり真剣にこの話を聞くようになった。二人揃って笑い話にした、一度目が懐かしい。

お化けでもノイローゼでも、どっちでも構わない。自分にはわからないその逆境を、加藤は真正面から見据えている、と杉浦は思う。だからこそ、悩みもした。病院に連れて行くべきなのか、腕のいい祈祷師を探すべきなのか。その両方をやったっていい。

しかし、加藤はそれらを拒否した。かつて杉浦と話した時、医者も坊主もお断りだと断言している。

かれこれ三度目になる同じ問いを、杉浦としては言わざるを得ない。

「どうするんだ、お前」

医者や坊主はいいのかと聞いている。

医者でも坊主でも、どっちでも構わない。杉浦は自分のことを多少なりとも心配してくれている、と加藤は思う。

「ふん、なるようになるさ。まあ見てろって」

加藤一人で、この状況に対する勝算なんかあるわけない、それは二人ともわかっていた。盛り塩のひとつもするような男ではない。塩化ナトリウムでお化けが消えるなら世話はない、そういう考え方の男だ。

「そうだ、今度、お前のアパートに泊まりに行ってやるよ」

ピスタチオを摘み、笑う杉浦。

「出るなら出てみろってやつさ。祐子も連れてくよ。三人で酒飲んでみようぜ。その女の子は、いつも何時に出るんだっけ?」

祐子とは、杉浦の彼女。加藤もよく知る女性。

「あーっと、だいたい一時とか二時」

「おっけー」

杉浦がグラスを傾ける。やっと酒が進み始める。

「でも、その日に出るとは限らないぜ。法則なんかないんだろうぜ、きっと」

「出なきゃ出ないでいい。前にお前ん家に泊まった時も出なかったろ。気分転換だよ。あんまり気にするな」

加藤の顔に、久しぶりに笑顔が戻った。

「わかったよ。来る時は連絡してくれ」



翌日、杉浦の携帯が鳴ったのは、昼休みの中頃だった。

「もしもーし」

「杉浦か? 俺だ、加藤だ」

「おう、昨日はお疲れ。どうした? まさか昨夜、出たとか?」

ちょっと趣味の悪い冗談か? コンビニの弁当を広げながら笑う杉浦だが、

「・・・ああ。そうだ」

笑顔が固まる。箸を持つ手も止まる。

「はぁ? 出たぁ?」

「ああ。きっちり数えてったよ。律儀なこった」



昨夜、杉浦と飲んだことで多少救われた気持ちは、数時間後、木っ端微塵に砕かれた。

嘘だろ!? 深夜、目覚めた瞬間、そう思った。

「ふたつ」

何を言う間もする間もなく、少女はそう言って消えた。

・・・やられた。

そして襲い来る恐怖。体が異常な寒さを感じる。奥歯が鳴る。強烈な孤独感。

なぜこんなに恐ろしい。

あの少女は、存在するだけで恐怖の対象となるのか? 何もされてない、ただ目の前に現れて、数を数えているだけなのに。

二日連続で会ってるんだ、少しは慣れたっていいはずだ。

なのに、この恐さは何だ。

くそっ。

・・・過去、四度、出会っている。姿形は変わらない。数を数える声は、ごく普通の女の子のものに思える。ただお化けであるというだけで、恐怖の要素はどこにもない。お化けイコール恐怖という図式は納得できるが、それにしたって・・・。

見た目じゃない、ってことか・・・。



「え、だって、ちょっと待てよお前、二日連続か!? いくら何でもそれはないだろ、お前、酔って変な夢でも見たんじゃないのか? くそ、冗談じゃねーぞ。おい、今日、お前ん家、泊まりに行ってやんよ。そのクソ幽霊、俺がブチのめしてやんよ」

こいつ、俺よりも怒ってやがる。携帯から聞こえる杉浦の声に、またも加藤は救われた気持ちになった。感謝の念を覚える。

杉浦の、そして加藤の怒り、焦りの理由は明白だった。

数えているのだ、少女は。

昨夜は二つと言った。加藤の直感だが、そう遠くないうちに、また出るだろう。

ひとつ、の次は、何を言う? 何をする? どうなる・・・。

笑い話だった一度目の遭遇時を除いて、数えるという点に関しては、いつしか二人の間ではタブーとなっていた。

二人ともわかっていたからだ。数え終わらなくちゃわからない、ということを。

しかし、こうも急に、立て続けに現れることはないだろう。

「まあ落ち着けって。それでな、俺、しばらくアパートを留守にすることにしたよ」

「え?」

「さすがにちょっと、不安になってな。しばらく親戚の寺にやっかいになることにした」

「え、でもお前・・・あ、いや、それに越したことは、ないんだけど」

携帯を手に、加藤はベランダから外を見た。

東京の空は晴れていた。なんと天気のいいことか。

「ぶっちゃけた話、さすがに少しへこんでな。親戚の寺にしばらくいて、問題なければ戻ってくるよ。そしたら電話するから、また飲もうな」

「え、ああ・・・」

「じゃあな」

切ろうとした携帯から、慌てた杉浦の声。何だと聞けば、あまり無理するな、何かあれば俺に言え、と言う。

笑って答え、電話を切る。部屋の中を振り返ると、昼の日射しの中、少女がいるような気がしたが、それは錯覚だった。

会社には休みの電話を入れてある。

腹は決まった。

加藤は座椅子に座り、テレビをつけ、突発的な休日の午後を、コーヒーを飲みながら優雅に過ごした。



ゆっくりと、目覚めた。正面のテレビは砂嵐。時計を見るまでもなく、深夜。

電灯は消えている。早い夕食の後、陽のあるうちに、テレビを見ながら眠ったようだ。

夜の静寂の中、テレビのノイズが耳に触る。

無意識のうちに、腕をさすっていた。

強烈な鳥肌だ。しかし、腰も痛い。

リモコンに手を伸ばし、テレビの電源を落した。一気に暗闇が押し寄せる。

長時間発光していたからか、まだ柔らかく光って見えるブラウン管に、少女の影が写った。数瞬で理解する、座椅子に座る自分のちょうど背後に、少女がいる。その影だ。

腰が、痛かった。ずっと座椅子に座っていたからだ。たったそれだけのことが、きっかけだった。

加藤の怒りが表に出た。

「ひとつ」

「っずぁ!!」

少女の声と加藤の咆哮は同時。上体を捻って裏拳を背後に叩き込む。

拳は少女の顔にめり込んだ位置で止まる。透過している。何の感触もない。

初めて、目と目が合った、ような気がした。

少女はすぐに消えなかった。こんなことは初めてだ。既に恐怖の沼に頭まで浸かっている状態だが、更なる寒気を感じた。

少女の細くて白い両手が、音もなく持ち上がってくる。

自分の首に向かってくる二つの手。それを凝視しているうちに、加藤の口は絶叫を形どった。声は出ない。

座椅子と飲み残しのコーヒーを跳ね飛ばし、少女に正面から向き合い両腕を振り上げる。

渾身の右は宙を走った。手応えなし。

少女は消えていた。当たったとか、撃退したとか、そういう感じではない。ただ消えた。そのちょっと前に、首筋にとても嫌な何かを感じた。

時間にして何秒も経たないうちに、硬直していた筋肉が弛み、加藤は勢いよく座り込んだ。肩で息をする。

はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ

はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ

はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ

はぁ、はぁ、はぁ・・・・

「・・・殺してやる」

その言葉は自然と出てきた。

しばらく後、電灯をつけ、派手に撒き散らされたコーヒーや座椅子の後片付けをし、加藤はベッドに入った。

腰の痛みが、怒りを一層強いものにしていた。



一夜明け、今日も会社を休んだ加藤は、なんとなく散歩に出た。

午前十一時前後。夏の日射しがきつい。遠い空に入道雲。

Tシャツとジーパンで駅前をぶらつく。

頭は冴えていた、というよりも、感情に抑揚がない。喫茶店で新聞を読んでいる時も、真後ろでウェイトレスがグラスを落して割ったが、見向きもしなかった。

今、歩いていることや、喫茶店での出来事などは、どうでもよかった。ぶらぶらしながら、考え事をしていた。

なるほど、殴ったりすることはできないんだ。ではどうしたものか。

少女のことを考える。

外見はああだが、その実体は殺意、悪意の塊とみた。

要するに、あいつは俺のことが物凄く嫌いなんだ。理由は知らないし、今更知りたくもない。

あいつは殺意だけで、俺の体に異常を生じさせる。体調が狂う。寒い。しまいには頭もどうにかなりそうだ。昨夜、触られた首筋は、今ではなんともないが、あの手が触れた瞬間は、もう、なんとも形容しがたい嫌悪が走った。あれが長時間続いていたら、どうなっていたか想像できない。

少女は俺に、救いを求めているんじゃないか? 苦しい、助けてほしい、寂しいその他いろいろ。そう考えたことも、もちろんあった。しかし。

俺は坊主じゃない。自分に害をなす甘ったれの死人を、身を呈して救ってやろうとは思わない、断じて。

近所に小さな公園がある。そこのベンチに腰掛けて、木漏れ日も心地よく、穏やかな心を好きなようにさせておく。

平日の昼間。暑さもあってか、周りに人は少ない。少し離れたベンチに浮浪者とおぼしき老人が寝ているだけ。

・・・・・・。

意識して、呼吸を正常に保つ必要が生じてきた。

おいおいマジかよと冷めた頭で皮肉に笑う。三十度を越える暑さの中、この寒気と鳥肌。まるで自分だけ、見えない冷蔵庫に放り込まれた気分だ。

来た。

右の方、公園の入り口に、ちょこんと佇む少女。地面に影がない、ということは、他の人には見えないということなのかな? 悪寒に震えつつ、そんなことを考える余裕があったのは、加藤自身も不思議なくらいだ。

視界の左隅が唐突に気になった。見れば、木の影に少女がいる。

二人!? 首を巡らせるうちに、それどころではないことに気付く。

向かいにある一戸建ての住宅の二階の窓から、少女の顔がこちらを向いている。

深さ十センチメートルもない砂場の枠の影から、少女の頭部、上半分がにょきっと生えてこちらを見ている。

電信柱の影から顔だけを覗かせる少女、しかし高さは三、四メートル。

次から次へと現れる、しかも明らかに嫌悪を伴う登場ぶり。

自分の両足の間、ベンチの下から顔が出てきた時には、恐怖と混乱で身動き一つできなかった。

地面から、ベンチの影から、背後から、無数の細く白い手が伸びて全身を掴まれる。

もはや声も出ない。呼吸している感覚もない。

視界のありとあらゆる場所にいる少女が、一斉に口を開いた。パカッと開いた。大きな口だ、中は黒い、歯などありはしない・・・笑ってる。

周囲から、何かが押し寄せてくる気配があった。

加藤は目を閉じ、歯を食いしばった。できれば耳も塞ぎたかったが、体が思うように動かない。

竜巻きのごとく、暴風のごとく荒れ狂う、得体の知れない危険なもの。害意、敵意、嘲笑、殺意、悪意。それらをことごとく拒絶する自分。

何かが自分の体を撫で、幾度も通過してゆく。その度に激痛が走る。

耐えに耐え、どれほどの時間が経過しただろう。

うねり渦巻くそれはいつしか一点に向かい、やがて穏やかになる。加藤は静かに目を開けた。

ベンチに座る自分。一人になった少女が目の前に立ち、細い両手で加藤の首を締め上げていた。

強い締め付け。顎は既に上がっている。歯を食いしばり、少女を見下ろす。少女は笑っておらず、いつもの、感情が見えにくい、おぼろげな顔だった。

・・・その程度か?

強烈な笑みを浮かべ、加藤が顎を下ろしてゆく。少女の手も下がる。力と力の拮抗は、加藤に分があった。

ボケがっ。その程度か? ぁあ!?

傲然と見下ろす加藤。こめかみの血管はとうに浮き上がり、目は血走る。

そこで初めて、少女の確かな表情を見たような気がした。なんてことはない、普通の女の子だ。特に変わったところもない。その目が、じぃと加藤を見上げている。強いて言うなら、何かを欲しがっているようにも見える。

お前には、何もやらんっ。代わりにお前を食ってやる。ほら、こいよ、もっと締めてみろっ。俺を殺したいんだろ、やってみろ。その前に、お前を・・・っ。

「二度死ぬかオラア!!」

そう叫んだのと、少女が後ろに下がったのと、どちらが先か。

痛む首に手を当て、少女を睨む加藤。

両手をだらりと下げ、上目遣いの少女。

しばらくして、加藤は首から手を放し、歯を剥いた笑みを浮かべ、言った。

「いつつ」

少女が更に下がった。歩いてはいない。滑るように、すうっと。

「よっつみっつふたつっ」

一気に少女は遠ざかり、公園の柵に体が半分ほどめり込んだ状態で止まる。

加藤はベンチから立ち上がり、少女に一歩、踏み出した。

「ひとつだ」

この世のものとは思えない絶叫が公園を叩いた。木々が震え木の葉が飛ぶ。

もの凄い形相で、宙を滑って突っ込んでくる少女、加藤は踏み込みその顔面に思い切り拳を振り下ろす。

パンッ、と乾いた音。

右拳に残る、張り詰めた風船を叩き割ったような感触。

少女は消えた。

公園には、立ち尽くす加藤と、音に驚いて身を起こした老人だけだった。

 


「今度は今度で、ちょっと眠れなくなっちまったけどな」

新宿のバー。

「なんで?」

「あの時の、あいつの叫びが耳に残ってて。すごかったぜ、お前にも聞かせたかったね」

「ハ、お断りだ」

杉浦も笑って酒を飲み、ふと感慨深げに呟いた。

「結局、その子は何だったんだろうな」

「さぁな。知らんよ」

加藤も少し、目を伏せる。

少女は何がしたかったのだろう。

何を求めていたのか。

「とりあえず俺、二度死ぬか?って言っちまったけどな」

まぁ、しょーがねーさと杉浦も笑う。

ひとしきり酒をやり、そろそろ帰ろうかという頃、ぽつりと加藤が呟いた。

「あの子は何を求めていたのかな。成仏したかったってことなのかな」

「さぁなぁ。死人の願望はわからないよ」

「死人の望み? ・・・苦しみか。それって、地獄ってことだよな」

言って、加藤はグラスの残りを喉に流した。

消滅させることが、死人の苦しみという地獄から救ってやることにもなるのかと、ふと思ったが、いや下らん話だと苦笑う。

二人はバーを後にした。



聞くとはなしに、二人の会話を耳にしていたのは、加藤がいた場所から二つ席を空けて座るOL風の女。

カウンター越し、二人のグラスを片付けるバーテンに、独り言のように話しかける。

「何を求めていたか・・・。あの男にこそ相応しい言葉ね」

はい? 品のいいバーテンをチラと見やる。

「ふふ。何でもないわ。ご馳走さま」

彼女には見えていた。加藤の背後、付き従うように立つ女の子の姿が。感情の読みにくい、穏やかな顔の少女。

彼女は知っている。

この世には、幽霊と、そうでないものとがいることを。

あの子は幽霊だろうか。それとも、あの男が望んで生み出し背負った何かか。

例えば、この女。キャッシュレジスターを軽快に叩く、このウェイトレスの頭上に浮かぶ、白く丸い物体。彼女はそれを何気なく見た。

はたして何なのか。見えはするが、わからない。肉体を失った魂なのか、生者が生み出した願望なのか。

・・・どちらでも、同じであろう。それが彼女の結論だった。

バーを出て、雑踏の中、ふと右手を肩口まで持ち上げる。その手を、背後から伸びた手がそっと握る。

存在を忘れることしばしばだが、この手はほとんどの場合、彼女に温もりを与えてくれる。片手しか見たことがなく、時として氷のように冷たかったり、稀に写真に写ったりするが、それはご愛嬌。

背後の何かの手をやさしく握り返し、彼女は夏の夜に姿を消した。




  

《おわり》 






comment



人の願望とは、果たして何であるのかな、と思いました。

不幸、幸福、憎悪、怒り、喜び、安らぎ、悲しみ、慈しみ、いろいろですが。

何を愛して、人は生きるのでしょうね。


<tt-kirin@nyc.odn.ne.jp>



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