「あお」

Poem by よしゆき幸(みゆき)


見上げた空が青いから

あなたに逢いたくなりました


雨上がりの水たまり

空を映して青いから

あなたに逢いたくなりました


一本道の突き当たり

見渡す限り広がる海

空より深く青いから

あなたに逢いたくなりました


だけど逢いにいけません


僕には羽もヒレも何もない

だから飛べない 渡れないんだ

空も海も青いから

青から先に進めない


逢いたいあなたは坂の上

空と海とを結ぶ道

青と青とに囲まれて

僕は途中で立ち止まる


両手で青を掻きました

浮きも沈みもしないけど

前にも後ろにも行けなくて

僕は一人立ち止まる


それでもあなたに逢いたくて

僕は悲しくなりました

次々零れる小さな滴

止まらず流れて溜まっていきます


足下に出来た水たまり

映った僕が揺れている

涙もやっぱり青いから

あなたに逢いたくなりました


水たまりに映る僕

羽もヒレもないけれど

そこには足が見えました

僕には足がありました


大地に下ろしたその足で

初めて踏み出す第一歩

水たまりを越えました

空も海も涙も全部

青を踏み越えあなたを目指す


あなたが青を好きなのも

あなたに青が似合うのも

今なら分かる気がするよ

青が素敵な街だから


僕が青に憧れたのも

僕が青を怖がったのも

やっと分かった気がするよ

僕に自信がなかったからだ


今ならあなたに逢いにいけるよ

逢いたくなったら跳んでいくよ


白く輝く坂道を

真っ赤な勇気を両手に抱いて

君の家まで駈けて行くよ

今すぐ走って逢いに行くよ






comment


私には上を見上げる癖があります。
楽しいとき、辛いとき、怒ってるとき。
状況は色々ですが、何気なくいつものように見上げたら素晴しい青空でした。
バーッと言葉が広がり初めて詩を書いてみました。
今は空を見ては浮かぶ言葉を書き残す癖が加わりました。


Poem & comment by よしゆき幸(みゆき)


<yosiyuki@sutv.zaq.ne.jp>


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