KUMA's Room Part.2

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ココ



さあ、散歩だ!


 赤いチューリップにまず出会った。

庭中の花が咲き誇っている。

白樺の木にも、

やわらかそうな(うまそうな)

葉っぱが芽吹いているぞ。

う〜ん、いい風がふいて、

じつにいい気持ちだ。




人間はこの季節、花粉症とやらになる者もいるらしいが、

おいらは、ぬいぐるみだから大丈夫だ。



   


うん?この白樺の小径を行ったところに、誰かいるぞ・・。


おいらは、白い石像に出会った


きみはだれ!?



「ぼくは庭の哲学者さ」

雨風にあたって少し汚れてはいるが、

彼はなかなかのハンサムだ。

どこか物思いにふけっている・・。

なにを 考え込んでいるんだい?



「春は あまりにも明るいから、憂鬱(ゆううつ)なのさ」

ゆううつ?

それは、まだ 食ったことがない。



 彼が、こんなにも

思い詰めているんだから

“ゆううつ”というのは、

さぞかし、うまいもんにちがいない。

こんど見つけたら、

おいらにもご馳走して

くれるように告げて、




おいらは、庭の哲学者と別れた。

おいらの散歩は、なおもつづく・・



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