KUMA's Room Part.20
ノボックとカミラは
“がくあじさい”のうえで
青い空と
ながれる 白い雲を
見ていた
カミラ : こんなに ひろい空 みるの ひさしぶりね
ノボック: うん、この空は フィンランドにつながってるんだな〜
カミラ : この国も好きだけど もうすこし森があればいいのにね
ノボック: むかしは いたるところにあったらしいよ
カミラ : じゃあ わたしたちみたいな妖精もいたのかしら?
ノボック: そりゃあ きっといっぱい いたさ!
カミラ : ふ〜ん・・会いたかったな
カミラ : あら、くまさん!
ノボック: おはよう!
「おはよう」 カミラ : くまさんは この国にまだ 妖精がいると思うの?
「もちろんさ! 妖精は死んだりしないよ みんなが かんぜんに忘れてしまわないかぎり ぜったい 死なない」 ノボック : じゃあ この国のひとたちは まだ忘れてない?
「うーん、そりゃあ ちょっと忘れてるけど・・
記憶はそんなに かんたんには 消えないよ!
長い間 この国だって、たくさんの聖霊たちに見守られてきたんだ。
だから どっこい この国にも、妖精たちは生きてるさっ」
そのときだ!
遠くかすかに 叫び声が聞こえた
「たすけてくれ〜!」