つぎの瞬間



まっ青な世界に抱かれていました。




もう痛みもありません。


こころも「青」に染まります...


うえには、ひろがる青い空

したには青い、青い海

えっ?青い海?



そうです。


魚は、空を飛んでいました。



海の底で青に憧れたときから

いったいどれほどの歳月が流れたのでしょう。

ひょっとしたら、いくつもの「いのちの旅」を

くり返した果てなのかも...しれません。



憧れつづけた青に抱かれ、かつて魚だったこころは

いま空たかく、まいあがります。


せつないほどにふくらむ

あたらしい憧れを

その胸に

抱いて







END


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Comment


進化論にはいろいろな説があります
外敵をさけ、エサをとりやすいよう、子孫を残すため...
進化をとげる過程には、いろんな理由が考えられるでしょう。

けれど、何かが変化するとき、そのエナジーの根底には

「憧れ」がある...

そう思うのは、ロマンチスト過ぎますか?

いつの世にも、ちょっとした変わりものが生まれます。
彼らは時代や周りに理解されなくても、熱のような
憧れと情熱を燃やし、けっしてあきらめない。

もちろん、ふつうもステキなことです。
けれど、異端もまた大切な個性。

「憧れ」というエナジーに

乾杯しましょう!


Akemi



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