きみの言葉
金木犀

Poem & picture by Akemi Murata


ある朝 きみに気づいた

甘い香りに 抱きすくめられて やっと


ずっと そこにいたんだね

気づかなくて ゴメン


キンモクセイ

きみの香りは きみの言葉


「ここにいるよ」


寡黙(かもく)だけれど 心に届く言葉で

見なれた庭の 見なれた朝を

しなやかに ぬりかえていく


秋の陽だまりで ふと思った


わたしにも あるのだろうか

「ここにいるよ」

 そう叫ぶために

神さまが用意した

何か


キンモクセイ


めまいがするほど

きみの香りが

まぶしい



詩・村田あけみ


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