花の値段

―はなのねだん―

Poem & Photo by Akemi Murata



そこに咲いているのは 花屋にならばない花です

そこに咲いているのは 値札のつかない花です

そこに咲いているのは 花言葉もない花です


けれど

花から吹いてくる風は

心のフィルターを通りぬけ

わたしのいのちを

透かしだす


もしも

春に死んだら

バラよりもカトレアよりも

このむらさきに埋もれて、逝きたい


そこに咲いているのは そんな想いにさせる


花です







Comment


いろんなものに いろんな値段がついています。

そのものの価値を示すものさしが「値段」だとしたら、

首をかしげることって、けっこうあります。


注)写真の花は、諸葛菜(しょかつさい)。
  ムラサキハナナ、オオアラセイトウ、ハナダイコン

  ...とも、呼ばれています。

四月から五月、ちょっとした空き地や、
川、線路の土手などで見かけるアブラナ科の花。

散歩の途中、細い路地の行き止まりで偶然、
この撮影場所(諸葛菜の群生地)を発見しました。

わたしが見つけた「秘密の花園」みなさんに
お見せしたくて、こんな詩をそえました。


Akemi



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