かなわない

Poem & Photo by Akemi Murata

 

泣きたくなるほど

嘘のないまぶしさ

 

まったく 春にはかなわない

 

どんなに曲がった木の枝にも

ちゃんと花を咲かせ

 

「つまらない」をポケットに詰め

うそぶいていた人でさえ

花のしたでは顔をあげ

うっかりすれば

頬もゆるむ

 

思い出の風になり

「泣かないでここにいるよ」

やさしい香りをそっと

届けることもある

 

まったく

春にはかなわない

 

 

 

 



 

 

ことしの冬は特に長く厳しかった気がします。

本当に待ち遠しかった、春。

2012.春 akemi

 

 

 

 

 


 

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