毛糸の帽子

Poem & Photo by Akemi Murata


雪の降る日に 毛糸の帽子を 買いました

子どもの頃 母さんが 編んでくれた

帽子にすこし 似ています


いろんな色が まじってる

どんな色も 歌ってる

ふわふわの

思い出


母さん

あなたが生まれ

あなたが逝った

一月です


あなたの娘なのに

毛糸の帽子ひとつ

うまく編めなくて

買ったりして

ごめん


でも

まいにち

編んでるから


わたしなりに

わたしの人生

思い出の糸

いっぽん いっぽん

なくさないよう 捨てないよう

こころの小箱に しまっては

たぐり寄せ より合わせ

へたでも 不揃いでも

いつか

編みあげるから

きっと


買ったばかりの帽子

かぶって外に出たら

空から雪が

ひらひら

帽子に

しろい花飾り

しばらく咲いて

にじんで


消えた




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ひさしぶりに毛糸の帽子をかぶったら
なつかしい感触と温かさに包まれました。

-Akemi-


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