雲に捧げる歌抄 -短歌九首-
Tanka & Photo by Akemi Murata
青い空の食卓に雲ひとつ 風がおいた天上の果実
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ひとひらの雲に照らされ いのちが透ける遠くまで静かな真昼
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天使のえくぼ みたいな雲でした 後悔も懺悔も聞いてくれそうな
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たなびく雲の川ごしに打電する 彼岸のひとへ 言い残したこと
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こびりついた悲しみのうえを流れ この星を洗う 雲はシャボン
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泣きたいときは下を見ない 涙に雲を映す湖になる
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空を見ていてふと思う 心底見られているのは どっちだろう
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雲のてっぺんから小さな小さな 自分が見えた「おーい、がんばれ」
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風の郵便 雲の便箋 一生かけて ひもとく手紙
Comment
東京から那須高原に引っ越して空が
ぐんと、ちかくなりました。
それにしても、どうしてこんなに
空に惹かれるのでしょう。
山や花を撮るつもりで
カメラのファインダーをのぞいていても
ついつい、空に向けてシャッターを
切っている自分がいます。
なんど、空に抱きしめられ
なんど、空に救われたか分かりません。
幼なじみの空と雲に、愛と感謝をこめ
31文字のラブレター
贈ります。
Akemi