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池の端の木に
こんな札を→
見つけた。

「鋭い歯を持った魚を
 釣った人がいます......
 めずらしい魚を
 釣った時は
 十分注意してください...」

行政がわざわざ作った
立て札らしいけど、
いったいどんな
“めずらしい魚”が、


この池に潜んでいると言うんだろう?


のどかにキラキラ光る水面を見つめながら、あれこれ魚の姿を想像してみた。


そういえば以前“この公園にワニが生息している”という目撃証言がつづき、TV局から取材陣がドット押し寄せたことがある。

どうやら都会の公園は、変わり種ペットの
「姥捨て山(うばすてやま)」でもあるらしい。


遠い国からムリヤリ連れて来られ、売り買いされてペットになり、あげくの果てに捨てられて、都会のちいさな自然のなかで息をこらしている「彼ら」を想う。

どっこい生きのび変体を重ね、いつの日かモンスターとなって、
「彼ら」は人間に復讐するのかもしれない。

そんな空想を、春風にふかれながらしている私も、
やっぱり身勝手な、ヒトという種(しゅ)に違いないんだ...


池の近くの豪邸の垣根に、こんな立て札も発見した。


立て札の文面は
「チン太」という名前の
(種類はチン?)
語っている体裁に
なっている。


それによると、彼は
ホップステップジャンプ
が得意で、女の子に
ついて行くのが
好きらしい。



それにしても「チン太」くんの性格はわかったけれど
いったいこの立て札、
誰に向かって、どういう目的で、
ココに取り付けられているんだろう?

「車が危ないようなら僕をひもにつないでおいて下さい」
と最後にあるけれど....うーん、いまひとつ理解に苦しむ。


あたりを見渡しても
「チン太」くんらしきお姿は拝めなかった。

彼もまた、都会に生きる“謎の生物”なんだろうか?


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