「たまねぎ」

Poem & Photo by Akemi Murata



おまえは たまねぎ

むいても むいても

まるごと たまねぎ


わたしは にんげん

むいても むいても

えたいが しれない


手におえない

ココロの中の ちみもうりょう

いっさいがっさい 放り込み



強火 とろ火

その日の 気分で

ぐつぐつ 煮込めば

人生一品 できあがり



死ぬまで生きて

いのちゆらゆら

立ちのぼったら

冷めないうちに

召し上がれ


この世にひとつの

限定メニュー

味見をするのは

誰でしょう



生きて行くって お腹が空くから

たまねぎむいて とんとんつくる

ぽろぽろ涙 ぐつぐつ煮込む



そうして今日も唱えます

いのちによく効く

おまじない

元気に

なれる

合い言葉



「 い た だ き ま す 」




詩・村田あけみ



Comment

こころが迷子になったときには、
おいしいもの食べるのが、一番。
あっけなく幸せになれたりして。
そんなに簡単じゃないかな?でも
ほんと、お腹がすくから人は食べ
食べることで、また生き直せる。
そんな気がしませんか?これって
神さまの大発明かもしれません。

-村田あけみ-


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