「エンジェル」

Poem by 美春




スーツケース片手の天使

ラジオステーションで

誰かに待ちぼうけ

口笛を吹いていると

列車が入ってきたよ



(君は後からおいで)



A列車に乗り込み

窓際に座ったんだ

マシュマロのシートは

フワフワのトランポリン

正面にはレディデイが座ってる

笑顔でいっしょにはずもうよ

初対面なのに彼女は歌うんだ

きっと昔のままのしるしだね

彼女の声をメモしたいな



朝焼けのジミ・ヘンドリックス

風をつかまえるのに忙しいんだ

けども今日は安息日だよ

ハンモックをつりさげて

時の彼方まで昼寝するんだ

意味不明の寝言だね

まるで子守歌のようさ

彼の寝言をメモしたいな



お腹がすいてしまった

イヤホンを耳に入れると

そこはファーストフードレストラン

メロディサンドをほおばれば

スマイルが付録についてくる

お腹いっぱいになったよ

誰かとおしゃべりしたいな

デザートのおしゃべり絵本開けば

地上の天使たちが舞い上がるよ



菩薩さまが携帯電話で

イエスさまと話しているよ

人工衛星が波にゆれているね

マザーテレサはノートで

ガンジーとモバイルしてるよ

アドレスは夢の中にあるんだね



みんな銀河で泳いでいるよ

みんな銀河で歌っているよ

みんな銀河で祈っているよ



虹のトンネルにさしかかる

そこを過ぎると最初の駅が見えるんだ

窓から顔を出してごらん

虹の灰で顔は七色に染まるよ

いにしえのインディアンみたいさ



銀河にもぐるのは誰だろうね

宝物を見つけるのは誰だろうね

天使は駅に降り立ち

君の家を探すのかもしれないよ

天使は住所不定の流れ者なんだ



だから



寝る前はしのび足

障子に穴をあけて

部屋をのぞいてごらん

そこには...



スーツケース片手の天使

ラジオステーションで

君を待っているよ

口笛を吹いていれば

きっと列車がやってくる




さあ いっしょに行こう











comment


「エンジェル」


子供にとって、おとぎ話は夢の世界です。

チキチキバンバンという映画がありましたね。

わたしは子供のころテレビで見て夢中になりました。

そんなことを思い出しながらこの詩を書いていました。





Poem & comment by 美春




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