「マーマレードの木」

Poem by 美春




空が涙するというなら

海には微笑む計画があります

だからわたしたちもそうしましょう

いつかわたしたちもそうしましょう



時を育むマーマレードの木々

枯れることを知りません

風にゆれるセロファンのお花たち

萎れることを知りません



瞳を閉じれば

明日につたう声が聞こえます

聞こえると想ってください

わたしにも聞こえるように



明日を想いました

気の遠くなるくらいに

雲のクッションに身をゆだねて

そのまま流れていきました



空が涙するというなら

森には夢見る計画があります

だからわたしを待っていてください

どこかでわたしを待っていてください



森で精霊とかくれんぼ

ドングリの後ろに隠れました

でもクルミをかじっていたら

見つかってしまいました



彼は言いました

(あなたの願いごとが聞こえました)

わたしは言いました

(あなたはお星さまから落ちたのですか)



傷だらけのハープが風に流れます

ふたりは手をとりあって踊りました

昨日の傷も癒えていくようです



想像の森には慈しみのココロが芽生えます

違いを支えあって大切に育みましょう



ゆらゆら揺れながら

記憶が遠くなっていきます

明日が昨日よりもあたたかなら

わたしは昨日を抱きしめましょう

昨日といっしょにいきたいです

明日いっしょにいきたいです



あなたはどこにもいないのに

言葉さえどこにもないのに

瞳を閉じればあなたは

いつでも微笑んでいますね



あなたに会いたい



言葉はなくても

わたしたちはいつも話していますね

あなたの沈黙はわたしの糧

わたしを導く指標

昨日をたずさえて

たくさんの夢を

リュックサックに詰め込んで

わたしは明日目を覚まします



おやすみなさい











comment


「マーマレードの木」


マーマレードの木、セロファンの花、

それがいったいなんなのかわたしにもわかりません。

ただそれはとてもあたたかく、

時にはせつないものであるような気がしています。

夢うつつに明日を想う。

実り豊かな明日を向かえることができるでしょうか。



Poem & comment by 美春




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