「子供と影と母親と」

Poem by つばさ




公園のベンチに座り

遊び回る子供たちを眺めていた



突然 一人の子供が母親の所へ駆け寄り

自分の影が恐いと言って泣きだした



「恐くなんてないのよ」と言って

母親は 笑っていたけれど

子供は そんな言葉には耳を傾けず

母親にしがみついて泣いていた



「影は何もしないのよ」と言って

母親は 子供を説き伏せようとしたけれど

子供は どんな言葉にも耳を傾けず

激しく泣きだした



「ママが守ってあげるから」と言って

母親は 子供を強く抱きしめたけれど

子供は 母親の胸に顔を埋めたまま

ひたすら泣き続けた



母親は 子供を強く抱きしめるだけで

泣きやむのを待つほかなかった



しばらくすると

子供は 泣き疲れたのか

何事もなかったかのように眠ってしまった



でも 子供が目を覚ましたら

また 影が恐いと言って泣きだすかも・・・



もしかしたら

空が落ちてくると言って泣きだすかも・・・



母親の苦労は まだ続きそうだ








comment


「子供と影と母親と」


子供たちは

まるで不思議な世界にやってきたかのように

どんなことにでも興味を待ちます

大人たちには何ともないことでも

驚いたり 喜んだり 悲しんだり

大人たちも皆 そうだったように

もし

子供の心がつかめないで悩んでいる人がいるのなら

子供のころを思いだして下さい

そうすればきっと 子供の心をつかめるはず



Poem & comment by つばさ


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