KUMA's Room Part.28

くまの日常 <シーズン編 その3>

「春うらら」




春うらら

おいらたちも

お花見にでかけた


ふわふわの

“わた菓子”みたいに

やまざくらが咲いている




土手のうえでは つくしんぼうたちも 顔をだしていた

「こんにちは」「こんにちは」「こんにちは」

あちらこちらで ちいさな声がする


「みんな 春を待っていたのね!」

カミラがうれしそうに言った



そういえば

 「森の木の精に
   ちょいと あいさつしてくるわ」


そう言って出かけた

ベラビックルたちは

いまごろ どうしてるだろ?



「たすけてくれ〜」 


うん?......なんか

ボルボックルの声が 聞こえたような気がしたけど

気のせいかな?



わっ、きれいな 菜の花ばたけ ダ!



「太陽のオレンジ色を
   あつめて咲いてるみたいだね」

ノボックが言った


菜の花とお日さまの色が

ひとつにとけるまで


もうちょっと風にふかれよう



空がだんだん 赤い色にかわった

夕やけって なんかににてる

あったかい紅茶だ!

(やきたてのクッキーもいいな)


クーッ... 

おなかのなかで カラスがないた


“カラスがなくから か〜えろっ”


おいらは うたいながら

ノボックとカミラを 肩にのっけて スキップした

背高ノッポの“影ぼうし”も

スキップしてる


菜の花ばたけの いっぽん道

夕やけこやけの

いっぽん道



春の手のひらが せなかを おしてくれたから

とっても ほこほこ したよ 





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