プラットホーム

Poem & picture by Akemi Murata



朝のプラットホーム

しあわせになりたいひとたちが

あふれてる



アナウンスが流れた


「○○駅で人身事故発生・・」


しあわせになりたいひとたちは

ため息をつきながら腕時計を見る



またひとり

しあわせになれなかった誰かが

どこかのホームからとんだらしい



けれど

いま気がかりなのは

“自分の電車がおくれないか”ということ




それを薄情だと

せめられてもこまる

みんなそれぞれいそがしいだけ



さりげない会話をえらんで

感じのいいひと演じて

さらりと自分をあいまいにしながら

規定の距離なんとか泳ぎきったら


夜のプラットホームに這いあがって

またふかく息を吸うでしょう



無表情な顔のしたにいろんな想いを抱えて

しあわせになりたいひとたちが

こんなにもあふれているから


プラットホームは

哀しくて

愛しい







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