poem & photo by Akemi Murata
雨をさけたら 出会えない 虹もある
*
空気も水も 花や木も あなたに私
みんな粒子の 集まりだから
すべては ひそやかに つながっています
*
母さんの手が すり下ろし
ガーゼでしぼった りんご汁より
よく効くクスリを知りません
*
ほがらかに暮らしや
風に吹かれて 亡き父が
空から 白い雲の ハンカチをふる
*
いろんな物差しがあるから
値打ちは自分で決めればいい
*
くすり指が使えないと
くすり指の役目に気づく
治ればあっさり 忘れてしまう
*
その川を渡るとき 荷物は持っていけません
体という器も捨て 魂ひとつで逝くのです
磨くなら今のうち 澄んだ光を放つように
*
陽の光に 手をかざす
いのちが透けて みち満ちる 宇宙の気
*
ゆきたいところに 飛びなさい
うまく飛ぶより それが大事
*
Comment
四月に倉敷で開催する三人展に向けて
雪が降り積もるなか、私はこの冬、つれづれに
ひと呼吸で読める長さの詩を書きためていました。
春にはその言の葉たちが、夫の絵と母の書で
すてきに咲きそろい、飾られると想いますが
その全部はご紹介しきれないと想うので
「こぼれ言の葉」としてすこし
ご紹介できればと想います。
今回はその一回目
2011初春 村田あけみ
2011年3月11日、大震災が起きてしまいましたが
4月には予定通り、倉敷で三人展を開催しました。
三人展ギャラリー風景は→ ココ