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「だれかいるの?」
まわりを見わたしてもだれもいません。
もういちどよこになると、また泣き声が聞こえてきました。どうやらその声は、石のひとつから聞こえてくるようです。
コポルは、その石を手のひらにとりあげると、耳をよせてたずねました。「石さん、きみが泣いているのかい?」
するとどうでしょう。
「そうだよ。ぼくはね、星の子どもなの」
石は、ヒックヒックと泣きじゃくりながら、すこしずつ話しはじめました。
「星って、夜になると空にかがやく星かい?」
コポルはおどろいて聞き返しました。
その石の話しによると、
お母さん星(ぼし)といっしょに宇宙(そら)に浮かんでいた時、
うっかり、じぶんだけ地球におっこちてくだけ、
こんな姿になってしまったというのです。
夜になると、空にお母さんが見えるけれど、
じぶんは、もどれないから悲しくて、
ずっと泣いているのだと石は言いました。
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