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いつしかあたりは暗くなって
空にはまたたく星たちがきらめいています。

「ほら、あれが、ぼくのお母さんだよ!」

石がとつぜん叫びました。



そう言われても、夜空には星がいっぱいで、
どれがこの子のお母さんなのか、コポルにはけんとうもつきません。

ただ、つぎに石が言ったことばは、コポルをびっくりさせました。
石はこう言ったのです。

「ねえ、その笛を吹いてくれない?」


笛をふいて・・・とコポルにたのむなんて、
そんなものは、いままでだれもいませんでした。

「だめだよ。ぼくは笛がうまく吹けないんだ」

コポルはしょんぼりと答えました。すると、

「だいじょうぶ、きっと吹けるよ。
 ぼくのお母さんに聞こえるように・・・ねえ、吹いて!」

石はなんどもそう言ってコポルにたのみます。


しかたなく、コポルはおそるおそる笛に口びるをあてました。



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