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白いスニーカーが行きたがる方向へ、
気ままに歩いたら、公園の池の畔(ほとり)に着いた。


やなぎの新芽が、いっせいに噴きだしている。
池に浮かぶボートの数もふえたみたい...



水辺の表情を
春色に染めかえて
やなぎの淡いみどりが
さわさわと

海藻のように
揺れている



まいにち
散歩するようになって
そろそろ五ヶ月かな?

忍耐力のない私がよく続いたものだと思うけれど、種を明かせば

「歩くことが楽しいからクセになった」だけ。


歩くと、車や自転車のスピードでは見えなかったものが見えてくる。ほんと、動く速度や目の高さが少し変わっただけで、こんなにも世界がちがって見えるなんて、ちょっとしたマジックだ。

太陽の位置や雲のカタチ、木々や草花...微妙な変化が季節のうつろいを教えてくれるから、「私も自然の一部なんだ」って、都会に暮らしていても素直に感じられる。

「犬も歩けば棒に当たる」じゃないけれど、歩いていると結構、珍しいものや風変わりなものに出くわすことも多い。それもまた、散歩がクセになった理由かもしれない。

さて今日は、どんなものに会えるかな?


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