Poem & Photo by Akemi Murata
郵便受けに音たてて落ちる
手紙のように 春はくる
まろやかな光と光の行間を
ふきぬけてくる風に
花のつぼみの
小さな窓も
蝶番(ちょうつがい)が
錆びついて
キシキシきしむ
心の窓も
たわいなく
開けられる
いち年ぶりに 届いた手紙
あふれだした
いのちのシャワーに すこし
むせながら
まぶしくて
せつなくて
透明な手が
したためた
春の文字を
微笑んだり
涙うかべて
読んでいる
Comment
春は、涙もろくなります。
いのちが輝けば輝くほど、背中合わせにある
影の部分が、際だつからかもしれません。
でも、ことしの春の便りは、ことしだけ。
ちゃんと読んで、心に刻まなくては....
Akemi
2005.Spring