KUMA's Room Part.16
おいらたちは息をのんだ。 そこはクプカ家の庭より う〜んと広かったし あたり一面に さまざまな花が 咲きほこっていたんだ! おいらたちは うれしくて かけまわった。 とくに、ノボックとカミラは大よろこびさ! だって、ふたりはもともと 花の妖精
として作られた指人形だったからね。 「ひとつひとつの花に
あいさつがしたい」
・・と言うので
おいらは ふたりを 花たちのところに連れて行った。 真っ赤なバラは、自分のとげで、ノボックとカミラを傷つけないように 気づかいながら、北欧からやって来た 花の妖精たちの訪問をよろこんだ。
あじさいは
まるで雨上がりの空にかかる
虹のように
いろんな色に変わりながら
ふたりに微笑みかけていた。
名前のわからない珍しい花たちも
ノボックとカミラに会うと せいいっぱい あまい香りを漂わせて 風にさわさわとゆれながら 歌をうたった。