Egg's heart

Poem & Painting by Akemi Murata



完結した 宇宙のように

まろく かがやく

たまご


Egg's heart

カラに守られ カラに阻まれ

内なる海に たゆたいながら

何者かに なる日を

まっている


わん曲した天空に またたく銀河を仰ぎ

空のピアノから降りそそぐ 音の結晶あびて

見えないもの 聴こえないもの 触れられないもの

ひとつひとつ たましいの輪郭 なぞるように

いつくしみ あこがれ抱え

こころは 青くうるむ


ふっとよぎる 焦燥とあきらめ


いったい何者に なれるというのか


けれど

生ぬるい海に溺れ

朽ち果てようとしても

ねじ伏せられない

夢のつばさが

疼くから

Egg's heart

たまごの 中で

カラに守られ カラに阻まれ

内なる海に たゆたいながら

もういちど 生まれる日を

待っている












Comment


たまごというフォルムには惹かれます。

ふっくらとしたまるみ、おもみ、カラの質感、

それにしても、この世に生まれ出たのに、もうい

ちど生まれ直すたまごという存在は、何だか不思議。

人間はたまごでは生まれないけれど、ひょっとしたら

心に「見えないたまご」を抱えているのかもしれない..

そんなことふと思ってこの詩を創りました。いよいよ

21世紀。100年にいちどのミレニアムエッグがポンッ

とわれる瞬間に立ち合うのだと思うと、わくわく

します。中からどんな世紀がとびだすのでしょ

そして、どんなものに成長し何を見せて

くれるのでしょう?すこしこわい..

でも、たのしみ



Akemi




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