鎮魂歌 - Requiem -

Poem & picture by Akemi Murata


 

たちきられた愛と夢と時間を

鎮める歌があるのなら

「祈り」という名の

こびんに詰めて

このたましいの岸辺から

あなたのもとへ流しましょう



とつぜん写真になってしまったひとに

とどけたい手紙は宛先をなくして

封印されたまま宙にまう

残された心の空洞を

ひらひら

 

 

ひらひら


時のせせらぎは悲しみのうえを流れ

いつしか手紙を「蝶」にかえた


悲しみより深い愛のさなぎから

ふわりと蝶は舞いあがり

残されたいのちを

照らしはじめる


なりやまぬ羽音がそっと

ささやいた


悲しいレクイエムはいらない

 

空から声がこだまする

生きて、生きて、

生きて






詩の一部を、村田收が水彩画で、 村田香葉が書で表現してくれた作品「空から声が」

2011年4月倉敷中央画廊で開催した「三人展・いのちの祈り」展示作品

クリック→




<--Back to Home 

<--絵本Cafeへもどる