Vol.4




銀色の小道


 

なぜ

こんなにも

雨が

恋しい



窓ガラスにつたう

銀色の小道で

せつなげに

触覚は

雨の匂いを

さがしもとめる


でんでん虫と呼ばれても 虫になれないカタツムリ

海を知らない貝の矛盾が 背中でとぐろを巻いている


渦巻く殻は 螺旋階段

昇りつめれば いつの日か

宇宙(そら)の銀河に届くでしょうか


ふたつの性が棲むという「両性具有」のカラダの中で

彼と彼女はふるえながら まだ見ぬ海の潮騒を

遠く遥かに聴いている


海を知らない貝のため 癒しの雨は降りそそぐ

銀色の小道に 海の匂いをにじませて


、夢をごらん




Comment


正式の名称はマイマイというそうですが

カタツムリ、でんでん虫、デデムシ...地方によって

いろんな呼び方があるほど、親しみのある生物です。

けれど彼らについて、どれほどのことを知っているでしょう。

貝の仲間が地上にあらわれたのは約6億年前と言われます。

そして、カタツムリが陸に住むようになったのは、

およそ1千万年ほど前のことだそうです。

なぜ彼らは海を捨てたのでしょう...

ほんとうに、捨てきれたのでしょうか?

こんど彼らに出会ったら、聞いてみましょう。



Akemi


(このシリーズは、プロの写真家・飯島徹さんとのジョイント企画です)



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