あけみ のすべての投稿

どんなスタイルであれ表現者でありつづけられたらいいな...。創作の森クプカを夫(水彩画家・村田收)と共に運営。文章作品や人形作品を創作してクプカの森の中にある『Akemiの絵本カフェ』にアップしています♪

島根/奥出雲の旅『キララビーチ』

奥出雲の旅では海にも少しだけ立ち寄りました。道の駅があり季節には海水浴場にもなるには『キララビーチ』。

浜辺で絵を描く夫を遠くからパチリ(彼は撮られていることに気づいていない)絵を描いている間、私は浜辺で人形に使う流木を探してました。砂の感触と波の音を楽しみながら。海はいいな…。

風の強い海辺に風車が並んでいました。

波の音を聞いていたハマヒルガオ

島根/奥出雲の旅『吉田町』

奥出雲で出会えた風景はどこか懐かしく、山も海も里も人々もやさしかった。この国には大切なものがまだ残っていることに気づかされました。コロナ禍でいっそうその尊さに気づかされました。

吉田町の古い町並みで出会った懐かしい光景。川辺で遊ぶ親子。

島根・奥出雲にはまだ大切な日本の原風景がたくさん残っています。

疎水を泳ぐ鯉

もう営業しなくなってかなり時間が過ぎたのでしょう。ツ
タと草にすっぽり囲まれながら昔を思い出しているよ
うでした。



島根/奥出雲の旅『たたら』

訪れた島根県雲南市は、たたら(古来の鉄づくり)においても『出雲の国風土記』(733年編纂)に『鉄(まがね)』の記載があるほど千年以上の歴史をもつ鉄の聖地。

『菅谷たたら高殿』 の内部
この漢字で『たたら』と読みます。

吉田町の『鉄の歴史博物館』で昭和40年代に制作された『踏鞴(たたら)』というタイトルの記録映画( 30分ほど)を観てから、菅谷たたら高殿に行ってヨカッタ。 そうでないと、たたらについて理解するのは難しかったかもしれません。

山の中にある『菅谷たたら高殿』(唯一現存する)へ。映画『もののけ姫』に出てくる“たたら場”のモデルにもなった場所とか。柿葺き(こけらぶき)の美しい屋根(クリ材の板13万5千枚使用)が見事です。鉄づくりで高く吹きあがる炎をさけるための高い屋根とそれを支える太い柱。どこか神殿のような雰囲気。


内部に屋根に使ったクリ材の見本と貼り方がありました。
間に銅板をはさんでいるようです。

その歴史を学ぶと想像を絶する過酷な労働と、世襲制でのみ引き継がれてきた高い技術力も見えてきました。まさに日本の魂に触れたような気がします。

かつて全国に流通する鉄の8割以上を産した中国山地の中でも、1751年~1921年までたたらの炎が燃え盛った『菅谷たたら高殿』(国の重要有形民俗文化財)最盛期の江戸時代にはココで一年に90回操業、生産量約290トンにも達したという記録も残っているそうです。砂鉄と木炭と釜土を用いて鉄を産む『たたら』は、近代的な鉄の生産で戦後ほとんど途絶えていましたが、たたら製法で得られる『玉鋼(たまはがね)』は日本刀づくりに欠かせないことからまた着目されているらしく、フランスはじめ海外からの視察団も多く来られるそうです。

高殿の中に入ると、天井まで約9メートル。操業時炎が2メートルくらい立ち上る時には屋根のてっぺんにある火宇内(ほうら)が開けられたとか。巨大な柱4本を軸とする空間は一辺18.2mの正方形。その中央に炉が土で築かれ、何本もの送風管を付けたフイゴが用意されています。フイゴに送られる風は最初は人力だったけれど後に水車を利用するようになったとか。

地上に見えている部分だけではなく地下まで(水蒸気爆発しないように)地底に排水溝を掘り(深さ5~6メートルに及ぶ大きな設備)砂利、木炭、粘土、大小の石を敷き重ね防湿、高温維持のための工夫を凝らしていたり・・その製法には、まだ科学的に解明されていない部分も多いそうです。

実際に画像でご覧になるのが、たたら製鉄を知る近道でしょう。

高殿の周りには深い山と美しいせせらぎがあります。木々が多く炭が作れたこともこの地にたたらが花開いた所以でしょう。この高殿のすぐ近くには見守るように桂の巨樹がそびえていました。

島根/奥出雲の旅『龍頭が滝』

奥出雲(島根県雲南市)へドライブ。立ち寄った『龍頭が滝』は、雄滝と雌滝のふたつでそう呼ばれ「日本の滝百選」にも入っている名瀑です。ことに落差40メートルから降り注ぐ雄滝は美しく神秘的。

雌滝から雄滝に至る山道の周りにある杉の巨木も見事。樹齢400年ほどの杉の巨木が並んでいます。

前を歩いている夫と比較すると杉の大木の太さがよく分かります。

龍頭の滝にまつわる面白い名馬の伝説も読みました。仔馬が病で死んだ母馬の姿を求め彷徨い、滝つぼに映る自分の姿を母と思い水の中に入っているうちに泳ぎの優れた馬になり・・やがてあの平家物語にも語られる宇治川の先陣『池月ikezuki』という名馬になったとか。

滝の裏側には広い空間があり、そこから眺める滝は『裏見の滝』と呼ばれマイナスイオンをいっぱい浴びられます。

出雲は神話のふるさと。スサノオノミコトの須佐はじめ神話を思い出す地名にたくさん出会いました。水田や周りの山々の溢れるような緑、そこに点在する石州瓦の赤い屋根が印象的。茅葺き屋根の民家も残っていたり日本の原風景と言える佇まいに心がほどけました。

コロナ禍で三か月以上家に閉じこもり県外にはいちども出ませんでしたが、ようやく地方は平常の暮らしを取り戻しつつある6月。久しぶりのドライブでした。

映画レビュー『セントラルステーション』

1998年公開・ブラジル映画

ロード・ムービー(旅する映画)は好きなジャンルですが、中でも心に残っている一本がこちら。リオ(ブラジル)中央駅構内で手紙の代書人(字の書けない貧困層を相手に)している元教師の中年女性ドーラの元に、ある日九歳のジョズエという息子を連れた母親が客として現れます。彼女は別れた夫(ジョズエの父)との復縁を望む手紙をドーラに託しますが、その直後に事故で死亡。母を亡くし駅で寝泊まりするようになったジョズエ(少年)を仕方なく家に連れ帰るドーラでしたが・・・けっして彼女は親切な優しいおばさんではなく、郵便料だけ受け取り手紙を勝手に破棄するようなイヤ~なおばさんだったのです。

さて、そんなドーラがなぜ?やっかいな旅(リオから何千キロも離れた)少年ジョズエの父親捜しに出るハメになるのか?ロードムービーではその理由付けに説得力が必要な訳ですが(観客も旅に連れ出さないとイケナイ)その辺りも実に見事。不幸な境遇の子供が出ると、お涙ちょうだいの映画?って思いがちですが…全然違います。ブラジルが抱える現実や問題、たとえ子供であろうと自分の力で生き抜いていくしかないという厳しい現実に圧倒されつつ、それでも思わぬところから救いの手が出てほっとしたり….その後の展開はネタバレになるので書くのはよしましょうね。

ゴミゴミしたリオから荒野のような地方へ二人を乗せバスは走り出します・・・母を失ったジョズエも可哀そうですが、それ以上に、未来への希望を失っていたドーラの孤独や切なさがあぶり出されてきます。少年を救う旅は結局、彼女自身を救済する旅だったのかもしれません。ラストもいいですよ。

リオ出身のウォルター・サレス監督の出世作。1996年、サンダンス・NHK国際映像作家賞(脚本を審査する)を受賞し制作され、1998年第48回ベルリン国際映画祭の金熊賞(最優秀作品賞)、銀熊賞(主演女優賞)及びエキュメニカル審査員特別賞、アメリカ第56回ゴールデングローブ賞で最優秀外国語映画賞受賞など、各国で様々な賞を受賞した。