映画レビュー『八月の鯨』

『八月の鯨』1987年/アメリカ映画

けっして派手な映画でもドラマティックな要素もないけれど、しみじみ沁みる….そんな映画があるものです。最初にどこで観たか覚えていないのですが、その後も繰り返し観ました。ベティ・デイビス、リリアン・ギッシュという往年の2大女優が人生の晩年を迎えた姉妹役を演じています。監督は『if もしも‥‥』の名匠リンゼイ・アンダーソン。

アメリカの東海岸、メイン州の小さな島にある別荘(小屋のような家)が舞台。そこで毎夏を過ごしている年老いた姉妹リビーとセーラ(サラ)は性格が真逆なんですよね。いつも苦虫を噛み潰したように不機嫌なリビーと、どこか夢見る少女のような愛らしさを残したセーラ。ふたりの会話に笑ったり、切なくなったり悲しくなったり….ああ、自分は年取ったら、どんなおばあちゃんになれるのかな?って考えたものです。小屋の近くの島の入り江には8月になると鯨が現れ、幼い頃ふたりは良く見に行ったから『八月の鯨』それは何を象徴していたのでしょう。年を重ねてまた観てみたい映画です。

個人的には、ニューヨークに二年間暮らしていた頃、カナダの方までドライブした時にメイン州のこの海沿いの風景に似たところも走ったので懐かしい(赤毛のアンに登場する風景とも重なります)老姉妹と、彼女たちを取り巻く3人の老人たちだけが登場人物。まるで質の高い舞台劇を観ているような感覚にもなるのは演技力と脚本がいいからでしょうね。本作が遺作となったリリアン・ギッシュ(セーラ役)は、カンヌ国際映画祭特別賞を受賞。1988年岩波ホールで公開され31週のロングランヒットを記録したそうです。まだの方は是非♪

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